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退職代行で辞めたら社内預金や財形はどうなる?種類別に表で整理

2026-11-01 執筆

「給料から毎月積み立てていた社内預金は、退職代行で辞めても戻ってくるのか」。会社の人と顔を合わせずに辞めると、預けたお金の行方が気になります。

会社が預かっているお金は、退職しても本人のものです。労働基準法23条は、退職した人から請求があれば、積立金や貯蓄金を7日以内に返すよう会社に求めています。財形貯蓄や持株会は金融機関や会の規約が関わるため、手続きの流れが社内預金と違います。種類ごとの違いを表で整理します。

預けたお金の種類別の早見表

どこにお金があるかで、手続きの相手が変わります。

種類お金がある場所退職後の一般的な扱い確かめる相手
社内預金会社が管理請求すれば返還(労基法18条・23条)会社
財形貯蓄銀行・証券会社など払い出し、または転職先の制度へ移し替え勤務先の担当と取扱金融機関
従業員持株会持株会の口座退会し、株を自分の証券口座へ移す持株会の事務局
親睦会・互助会の積立金会社または会の会計会の規約しだい。会社が預かる金品なら23条の対象になりうる会の規約と会社
制服などの保証金会社貸与物を返したうえで返還を求める会社

表の扱いは制度の大枠です。実際の手続きは、就業規則・労使協定・各制度の規約で決まります。

請求すれば返ってくる社内預金

社内預金は、会社が従業員から預かって管理する貯金です。労働基準法18条は、会社が貯蓄金を管理する場合、本人が返還を求めたら遅滞なく返すよう定めています。退職のときは23条も重なり、請求から7日以内の返還が求められます。

退職代行を使うなら、業者が会社へ退職の意思を伝える連絡に「社内預金の返還を希望している」と添えてもらうと漏れません。添える内容は、返還を希望すること・振込先の口座の2点です。給与明細の控除欄を見て、毎月いくら積み立てていたかを先に確かめておきます。

財形貯蓄は金融機関での手続き

財形貯蓄は、勤労者財産形成促進法にもとづく積立の制度です。お金は会社ではなく、銀行や証券会社などの取扱金融機関に積み立てられています。退職でもめても、残高が会社のものになるわけではありません。

退職すると給料からの天引きが止まります。そのあとは払い出すか、転職先に財形の制度があれば移し替えるかを選ぶのが一般的です。移し替えには期限や条件があります。財形年金と財形住宅は、目的外の払い出しになると利子にかかる税金の扱いが変わる場合があります。

手続きの書類が勤務先経由になる場合もあります。業者を通じて「財形の手続き書類を郵送してほしい」と伝えると、出社せずに進められます。

持株会は退会と株の移し先が要点

従業員持株会は、給料天引きで自社株を買う仕組みです。退職すると会員の資格がなくなり、退会の手続きに進むのが一般的です。

規約によっては、まとまった単位の株を本人名義の証券口座へ移し、単位に満たない端数を現金で精算します。自分名義の証券口座がないと、口座を開くまで手続きが止まることがあります。退会の書類と株の移し先の指定方法は、持株会の事務局に確かめます。

返してもらえないときの動き方

会社が返還に応じないとき、業者が動ける範囲は運営主体で変わります。

運営主体預けたお金について対応できる範囲
民間企業返還を求めている本人の希望を伝えるまで。金額や時期をめぐる話し合いはできない
労働組合団体交渉権にもとづき、返還の時期や金額を会社と交渉できる
弁護士交渉に加え、支払いを求める訴訟などの法的手続きまで対応できる

民間の業者に依頼していて会社が「預金は返さない」と答えた場合、業者はその先の話し合いに入れません。弁護士でない者が報酬を得て交渉すると、弁護士法72条の非弁行為にあたるおそれがあるためです。その段階では、自分で請求の書面を送る方法や、労働基準監督署への相談を考えます。

積立の残高が大きい人や、すでに会社ともめている人は、最初から交渉できる依頼先を選ぶと手戻りがありません。3類型の違いは労働組合・弁護士・民間の違いを表で比較した記事にまとめています。交渉に対応する業者の料金や受付時間は労働組合運営の退職代行を条件で比較するページで確認できます。

依頼前にそろえておくもの

残高と手続きの相手が分かる資料があると、業者への説明が短く済みます。

  • 給与明細(社内預金・財形・持株会の控除額が分かる月のもの)
  • 財形の取扱金融機関の名前と、手元にある取引の明細
  • 持株会の会員番号や残高のお知らせ
  • 返還を受ける口座と、株の移し先にする証券口座

書類の受け取りや貸与物の返却を含む退職後の流れは退職代行のその後を表で整理した記事にあります。最後の給料が振り込まれる日は最後の給料の支払日を整理した記事で扱っています。

本記事は労働基準法18条・23条などをもとにした一般的な情報の整理です。社内預金・財形貯蓄・持株会の扱いは、就業規則・労使協定・各制度の規約や金融機関の取り決めで異なります。個別の判断は、勤務先の担当窓口や取扱金融機関にご相談ください。労働基準監督署などの公的な窓口や弁護士も相談先になります。