退職代行で辞めたあと最後の給料はいつ振り込まれる?支払日と手順を整理
2026-09-16 執筆
退職代行を使って会社と連絡を取らなくなったあと、最後の給料の入金日がわからず不安になることがあります。結論から書くと、締め日までに働いた分の給料は、就業規則で決まっている通常の支払日に振り込まれるのが原則です。基準になるのは辞めた日ではなく、会社が定めた支払日のほうです。この記事で整理するのは次の3点です。
- 最後の給料の入金日がどう決まるか
- 「手渡しで取りに来て」と言われたときの法律上の位置づけ
- 支払日を過ぎても入金がないときに踏む手順
最後の給料は所定の支払日が原則
退職しても、給料の支払日のルールは変わりません。労働基準法24条は、賃金を毎月1回以上、一定の期日を定めて支払うよう会社に求めています。退職を理由に支払日が早まる決まりはなく、遅らせてよい決まりもありません。
そのため入金日は「退職日」ではなく「締め日と支払日の組み合わせ」で決まります。締め日から支払日までの間隔が長い会社ほど、辞めてから入金までの待ち時間も長くなります。
| 会社の給与規程 | 9月15日に退職した場合 | 最後の入金日 |
|---|---|---|
| 月末締め・翌月25日払い | 9月1日〜15日分が対象 | 10月25日 |
| 15日締め・当月末払い | 8月16日〜9月15日分が対象 | 9月30日 |
| 月末締め・当月25日払い | 9月1日〜15日分が対象 | 9月25日(日割り分の精算が翌月に回る場合あり) |
退職日が締め日をまたぐと、最後の給料が2回に分かれることもあります。自分の会社がどの型かは、雇用契約書か就業規則の給与規程に書かれています。
7日以内の支払いを定めた労基法23条
退職した人が請求した場合に7日以内の支払いを求める条文もあります。労働基準法23条は、労働者が退職したときの取り扱いを定めています。権利者から請求があれば、7日以内に賃金を支払う。あわせて労働者の権利に属する金品を返還する。そういう内容です。
ただし、支払日がまだ来ていない通常の給料まで前倒しになるかは解釈に幅があります。一般論としては、締め日後の給料は所定の支払日に振り込まれると考えて動くほうが現実的です。23条が力を持つのは、積立金や社内預金など、会社が預かったままになっているお金を返してもらう場面です。
手渡しで取りに来てと言われたとき
会社から「給料は手渡しなので取りに来て」と言われる場合があります。法律上、賃金は通貨で直接労働者に支払うのが原則で、口座振込は本人が同意したときの例外という扱いです。手渡しを求めること自体が、ただちに違法になるわけではありません。
とはいえ、顔を合わせずに辞めるために退職代行を使った人が出社するのでは、依頼した目的と逆になります。振込の継続や現金書留での送付を会社に求めることはできます。ただし支払い方法の変更を求めるやり取りは、会社との話し合いにあたります。誰に頼めるかは、次の運営主体の違いで決まります。
振り込まれないときの確認手順
支払日を過ぎても入金がないときは、会社を責める前に順番に事実を固めます。順序を飛ばすと、あとで請求するときの材料が足りなくなります。
- 給与規程で支払日を確認する——雇用契約書または就業規則を読み、締め日と支払日を確かめます。支払日が土日祝に当たるときの扱いも見ておきます。前倒しか翌営業日かは会社によって違います。
- 入金の有無と金額を記録する——通帳や銀行アプリの画面を日付つきで残します。一部だけ振り込まれている場合は、その金額も控えます。
- 金額違いと未払いを分けて考える——社会保険料の精算や住民税の一括徴収で、手取りが想定より減ることがあります。入金額が少ないだけなのか、入金そのものが無いのかを切り分けます。
- 書面で請求する——会社へ支払いを求める連絡は、あとから残る形にします。本人が自分で請求する分には、弁護士法の問題は生じません。
- 労働基準監督署に相談する——支払日を過ぎた賃金の不払いは労働基準法24条に関わる問題です。給与明細や契約書を持参すると話が早く進みます。
賃金を請求できる期間には上限があります。期間や証拠のそろえ方は未払いの給料・残業代がある状態で退職代行は使える?にまとめています。
運営主体で変わる対応範囲
「会社に振り込みを催促してほしい」と退職代行に頼めるかどうかは、運営主体で分かれます。支払いを求めるやり取りは交渉にあたるためです。
| 運営主体 | 退職意思の伝達 | 未払い分の支払い交渉 | 訴訟などの法的手続き |
|---|---|---|---|
| 民間企業 | ○ | × | × |
| 労働組合 | ○ | ○(団体交渉権にもとづく) | × |
| 弁護士 | ○ | ○ | ○ |
民間企業が運営するサービスは、退職の意思を伝える範囲にとどまります。報酬を得て法律に関わる交渉をすることは、弁護士法72条が禁じる非弁行為にあたるおそれがあるためです。給料の支払いを求める話し合いまで任せたい場合、依頼先は2種類に絞られます。労働組合が運営する退職代行の一覧か、弁護士が運営するサービスのどちらかです。
金額が大きい場合や、会社が支払いそのものを拒んでいる場合は、訴訟まで対応できる弁護士運営が選択肢に入ります。
依頼前にそろえておく3つの書類
相談の前に手元にあると、話が具体的になります。
- 雇用契約書または就業規則——締め日、支払日、退職時の給与計算の方法が書かれています
- 直近3か月の給与明細——基本給と手当の内訳、控除額の目安がわかります
- 勤務時間がわかる記録——タイムカードの写真やシフト表があれば、残業代の話にも使えます
退職後に会社から届く書類や、返却が必要なものは退職代行のその後|届く書類・返すもの・自分でやる手続きで確認できます。