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育休中でも退職代行は使える?給付金・保育園・保険の変わり方を表で整理

2026-10-08 執筆

育休中に「復帰せずに辞めたい」と考えても、上司に切り出すのは気が重いものです。結論から書くと、育休中でも退職の意思は伝えられます。退職代行を使うこと自体にも、育休中だからという制限はありません。

ただし育休中の退職は、育児休業給付金や保育園の在園条件など、お金と生活に関わる制度が同時に動きます。この記事では、退職で変わることを表で一覧にし、退職代行に頼める部分と自分で確認する部分を切り分けます。

育休中の退職で変わること一覧

育休中の退職で影響が出やすいのは次の5つです。どれも退職代行のサービス範囲外で、確認先はそれぞれ別の窓口になります。

項目退職で起きること(一般論)確認先
育児休業給付金雇用保険の給付のため、退職するとそれ以降の分は原則として支給対象から外れるハローワーク
健康保険・厚生年金会社の保険の資格を失う。育休中の保険料免除もそこで終わる市区町村(国保)・健康保険組合や協会けんぽ(任意継続)
保育園の在園「就労」を理由に入園している場合、退職で在園の理由が変わる市区町村の保育担当窓口
失業給付すぐに働ける状態でないと受給できない。育児で働けない期間は受給期間の延長を申請できる場合があるハローワーク
住民税会社の給与天引きが止まり、自分で納める形に切り替わることがある市区町村の税務窓口

とくに育児休業給付金は、退職日をいつにするかで受け取れる期間が変わります。どの支給期間までが対象になるかは、退職日を決める前にハローワークで確かめてください。

法律上は育休中でも退職できる

育休は「在籍したまま働く義務が免除されている状態」で、退職する権利は止まっていません。期間の定めのない雇用(正社員など)は、民法627条により退職を申し入れてから2週間で雇用が終わります。この条文は、育休中かどうかで区別していません。

契約社員など期間の定めがある雇用では、民法628条の「やむを得ない事由」が関わります。何がその事由にあたるかは個別に判断されるため、ここは一般論として受け止めてください。

なお、育児・介護休業法10条は、育休を取ったことを理由に解雇などの不利益な扱いをすることを禁じています。退職を申し出たあとに「育休の取り方が悪かった」といった話を持ち出されても、退職の可否とは別の論点です。

退職代行に頼める範囲と頼めない範囲

退職代行が担うのは会社とのやり取りで、給付や保険の手続きは自分で進めます。運営主体によって、会社と「交渉」できるかどうかも分かれます。

やること担当
退職の意思を会社へ伝える民間・労働組合・弁護士のどの運営主体でも可
離職票や源泉徴収票の送付を依頼する退職代行(依頼の伝達)。発行は会社
退職日や有給・未払い賃金の扱いを話し合う労働組合運営・弁護士運営のみ
会社ともめて法的な手続きが必要になる弁護士運営のみ
給付金・保険・保育園の手続き自分(各窓口)

民間企業の退職代行は、退職の意思を伝えることはできても会社との交渉はできません。弁護士でない者が報酬を得て交渉することは、弁護士法72条が禁じる非弁行為にあたるおそれがあるためです。

育休中は「退職日を給付の区切りに合わせたい」という希望が出やすい時期です。会社が希望日に応じない場合に話し合いまで任せたいなら、労働組合が運営するサービスの一覧で運営主体と料金を確認できます。3つの運営主体の違いは労働組合と弁護士、民間の違いで表にまとめています。

依頼前に決めておく3点

育休中は子どもの世話をしながらの連絡になります。次の3点を先に決めておくと、相談のやり取りが短く済みます。

  • 退職日の希望(給付金の区切りをハローワークで確認したうえで)
  • 会社に返すもの(健康保険証・社員証・貸与品など)の一覧と返し方
  • 育休中の連絡窓口が人事か上司か

保育園に通っている場合は、退職で在園の扱いがどう変わるかを先に市区町村へ聞いておくと安心です。求職中として在園を続けられる期間を設けている自治体もありますが、期間や条件は自治体ごとに違います。

退職後の手続きは別記事で確認

会社から書類が届いたあとの流れは退職代行のその後にまとめています。失業給付の受け取りまでの手順は退職代行で辞めたら失業保険はどうなる?で整理しています。育児中で受給期間の延長を考える場合も、手続きの入口はハローワークです。

延長の申請でも失業給付の手続きでも、会社が発行する離職票が必要になります。退職代行に依頼するときは、離職票を自宅へ郵送してもらうよう会社へ伝えてもらう形が一般的です。届くまでの日数は会社によって違うため、待っている間に保険と保育園の窓口へ先に問い合わせておくと、手続きが重なりにくくなります。

本記事は一般的な情報の整理です。育児休業給付金や失業給付の条件は雇用保険の制度と個別の状況で、保育園の在園条件は自治体ごとに決まります。給付はハローワークに、保険は加入先の健康保険組合・協会けんぽや市区町村に、保育園は市区町村の保育担当窓口に確認してください。会社と争いがある場合は、弁護士や労働局の総合労働相談コーナーなど公的な窓口への相談も検討してください。