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事務職の退職代行|一人事務・月末の締め・預かり物の返し方

2026-10-20 執筆

「事務は自分しかいないから辞められない」と感じている人へ。結論から書くと、事務職でも退職代行は使えます。代わりの人がいないことは、法律上の退職を止める理由になりません。

事務職で問題になるのは、辞めるまでの片づけ方です。月末の締め、預かっている会社の印鑑や通帳、業務システムのIDが主な詰まりどころになります。この記事では、場面ごとの一般的な整理を表にまとめ、運営主体による対応範囲の違いを解説します。特定の業者をおすすめするものではありません。

事務職で詰まる場面の整理表

事務職の退職で出てくる場面は、次の表の5つにほぼ集まります。どの場面も「辞められるか」ではなく「どう片づけるか」の問題です。

場面会社の言い分の例法律上の一般的な整理自分で準備すること
一人事務で代わりがいない後任が決まるまで辞めないで後任探しは会社の責任。退職の効力とは関係しない業務の一覧を作る
月末・決算期の締め締めが終わるまで残って民法627条により申し出から2週間で終了締めの手順書を残す
印鑑・通帳・金庫の鍵直接持ってきて返却は必要。方法は郵送でも足りる預かり物の一覧と送付
システムのID・パスワード使えなくなると困る会社の情報として返す・消す対象管理者に再設定を依頼
有給が残っている繁忙期だから使わせない退職日を超えて時季変更はできないとされる残日数を確認する

表の内容は一般論です。就業規則や雇用契約の書き方によって、個別の扱いは変わります。

代わりがいなくても辞められる理由

期間の定めのない雇用なら、退職の意思を伝えた日から2週間で雇用は終わります。民法627条の定めで、会社の承諾は要りません。一人事務であることや後任が未定であることは、この期間を延ばす根拠になりません。

契約社員や派遣で事務をしている人は、扱いが異なります。契約期間の途中で辞めるには、民法628条の「やむを得ない事由」が関わるためです。有期雇用の考え方は契約社員・派遣でも退職代行は使える?で整理しています。

「締めに穴を空けたら損害賠償」と言われる場面もあります。退職したこと自体を理由にした賠償請求は、一般論として簡単には認められません。条文をもとにした整理は退職代行を使うと損害賠償を請求される?にまとめています。

締めの手順書で引き継ぐ

退職代行の業者は、業務の引き継ぎそのものは代行しません。業者がするのは、会社への退職の連絡と事務的な取り次ぎです。引き継ぎ資料は自分で作り、郵送かデータで会社へ渡す形になります。

事務職の資料は、次の3点を押さえると会社側の実務が回ります。

  • 定例業務の一覧——日次・月次・年次の作業と締め日
  • 作業の手順——使う帳票やファイルの保存場所と操作の順番
  • 進行中の案件——取引先への支払予定や未処理の書類

引き継ぎは法律上の義務とまでは言えませんが、資料を残すと「放り出した」と受け取られる余地が減ります。資料の範囲や送り方は退職代行を使うと引き継ぎはどうなる?で詳しく扱っています。

印鑑・通帳・IDの返し方

会社から預かっている物は、退職時に返す必要があります。出社しない場合は、宅配便や書留で送る方法が一般的です。業者から会社へ「預かり物は郵送で返す」と伝えてもらい、送り先を確認してもらいます。

会社の印鑑や通帳は、紛失すると扱いが重くなる物です。追跡できる送り方を選び、送った品目の一覧を手元に控えておくと、後で「届いていない」と言われたときに説明できます。

業務システムのIDやパスワードは、紙に書いて送るより、管理者に再設定してもらうほうが安全です。業者を通じて「管理者側でパスワードの変更をお願いしたい」と伝えてもらう方法があります。私物のスマートフォンに会社のデータが残っていれば、削除しておきます。

運営主体で変わる対応範囲

退職の連絡と預かり物の取り次ぎだけなら、どの運営主体でも対応できます。差が出るのは、有給消化や未払いの残業代について会社と話し合う必要があるときです。

運営主体できること事務職のケースでの目安
民間企業退職意思の伝達のみ辞める連絡と返却方法の取り次ぎで足りる場合
労働組合伝達+団体交渉権に基づく有給消化・未払金などの交渉締めを理由に有給を拒まれそうな場合
弁護士伝達・交渉+訴訟等の法的手続き賠償を請求された・残業代の請求額が大きい場合

民間企業の業者は、会社と有給や残業代の話し合いができません。弁護士でない者が報酬を得て交渉すると、弁護士法72条が禁じる非弁行為にあたるおそれがあるためです。3類型の違いは労働組合と弁護士、民間は何が違う?で表にしています。

料金の幅と比べ方

当サイト掲載21社の正社員向け料金は、15,000円から55,000円の幅です(2026-09-18〜09-26時点の公式サイト確認値。一部の業者は料金が公式で確認できず)。運営主体と対応範囲で価格帯が分かれます。条件を指定した一覧は業者を条件で比較するから確認できます。

本記事は一般的な情報の整理であり、就業規則や雇用契約の内容によって取り扱いは異なります。「必ず辞められる」「絶対に賠償されない」といったことを保証するものではありません。有給や未払い賃金の交渉が絡む場合、損害賠償を請求された場合は、労働組合運営・弁護士運営のサービス、または労働基準監督署などの公的な相談窓口の利用も検討してください。