退職代行のキャンセルはできる?「やっぱり辞めない」ときの考え方
2026-10-18 執筆
申し込んだあとで「やっぱり辞めない」と思い直すことはあります。答えは、会社へ退職の連絡が行く前か後かで分かれます。連絡の前なら、業者との申し込みを取りやめる話です。連絡のあとは、会社に届いた退職の意思を取り消す話になり、一般には会社の同意がないと撤回できません。
料金が戻るかどうかは、業者の規約で決まります。自己都合のキャンセルは返金しないと書いている業者もあります。迷いが残っているなら、会社への連絡予定の時刻と、キャンセルの受付方法を先に確かめてください。
分かれ目は会社へ連絡が行ったか
キャンセルと撤回は、相手も中身も違います。時点ごとに並べると次のとおりです。
| 時点 | 相手 | 扱いの目安(一般論) |
|---|---|---|
| 申し込み前・相談中 | なし | 相談だけでやめても、退職の話は会社に伝わらない |
| 申し込み後・会社への連絡前 | 業者 | 業者との申し込みの取りやめ。料金の扱いは規約しだい |
| 会社への連絡後 | 会社 | 退職の意思表示の撤回。原則として会社の同意が要る |
申し込む前の段階なら、迷っていても問題はありません。相談だけで終える使い方は退職代行に相談だけしてもいい?で整理しています。
会社へ連絡する前のキャンセル
会社への連絡前なら、まず業者に「依頼を取りやめたい」と伝えます。業者がまだ会社へ電話していなければ、退職の話は会社に届いていません。連絡予定の時刻が迫っている場合は、LINEと電話の両方で早めに伝えると行き違いを防げます。
支払った料金が戻るかどうかは別の問題です。当サイトが公式サイトで確認した範囲では、次のような表示がありました(いずれも2026-09-18時点の公式サイト確認値)。
「全額返金保証」は、退職できなかった場合を想定した表示です。気が変わって取りやめるケースは含まれない例があります。保証の範囲は退職代行の返金保証は途中キャンセルにも使える?で詳しく扱っています。
会社へ伝わったあとの撤回
会社へ退職の意思が伝わったあとは、本人の判断だけで取り消すのは難しくなります。意思表示は相手に届いた時点で効力が生じます(民法97条1項)。一方的に辞めると伝える「辞職」の意思表示は、届いたあとは原則として撤回できないと扱われます(民法540条2項の考え方。一般論)。
例外として、「退職させてほしい」という申し出(合意退職の申し込み)の形だった場合があります。この形なら、会社が承諾する前は撤回できる余地があります。退職代行の連絡がどちらの形だったかは、業者の伝え方によって変わります。退職届と退職願の違いは退職届は必要?退職願との違いの表にまとめています。
もちろん、会社が撤回に同意すれば働き続けられます。ただ、会社に同意する義務はありません。退職日や引き継ぎの段取りが進んでいれば、元に戻らないこともあります。
撤回の話し合いを誰に頼めるか
撤回を会社に認めてもらう話し合いは、運営主体によって頼める範囲が違います。
| 運営主体 | 撤回に関わる対応の範囲(一般論) |
|---|---|
| 民間企業 | 本人の意思を伝えるところまで。会社との条件の話し合いは「交渉」にあたるためできない |
| 労働組合 | 団体交渉権に基づき、会社と話し合うことができる |
| 弁護士 | 交渉に加え、争いになった場合の法的手続きまで対応できる |
民間企業の業者が、撤回の伝達まで引き受けるかどうかは規約しだいです。当サイトは各社の撤回への対応を確認していません。会社との関係が悪くなければ、本人が直接上司に連絡するほうが早く進む場合もあります。
迷いがあるうちに確かめる3点
申し込みの前に、次の3点を業者に聞いておくと「やっぱり辞めない」となったときに慌てずに済みます。
- 会社へ連絡するのは何日の何時か
- キャンセルはどの手段で、いつまで受け付けるか
- 自己都合で取りやめたとき、料金は戻るか
3点のうち料金と返金の表示は、各社の公式サイトの確認値を退職代行の業者を条件で比較するページに並べています。
引き止めで気持ちが揺れたとき
会社から「撤回してほしい」と連絡が来て気持ちが揺れることもあります。会社へ直接返事をする前に、依頼した業者に連絡内容を伝えてください。返事を急がされても、その場で答える必要はありません。
辞めるかどうかを最後に決めるのは本人です。強い引き止めの法的な位置づけは退職を強引に引き止められたら?、会社からの電話への対応は退職代行のあとに会社から電話が来たらで整理しています。