退職代行で退職理由は伝える?会社への伝え方を4ステップで整理
2026-09-24 執筆
退職代行を頼むとき、「会社に本当の退職理由を言わないといけないのか」と迷う人がいます。上司への不満や体調のことを、会社に詳しく知られたくない場合もあります。
結論から書くと、正社員などの期間の定めのない雇用では、退職に理由は必要ありません。ただし契約社員などの有期雇用は扱いが変わります。この記事で整理するのは次の3点です。
- 退職理由を会社に伝える義務があるかどうか
- 業者と会社それぞれに何を伝えるか
- 離職票など書類の理由欄で確認すること
ステップ1 自分の雇用契約の種類を確認
最初に確認するのは、雇用契約に期間の定めがあるかどうかです。契約書や労働条件通知書の「契約期間」の欄を見ると分かります。
期間の定めのない雇用なら、民法627条1項が根拠になります。条文は「いつでも解約の申入れをすることができる」と定めています。理由を示すことは条件になっていません。申し入れから2週間が過ぎると、会社の承諾がなくても雇用は終わります。
契約期間の途中で辞める有期雇用は、民法628条の「やむを得ない事由」が関わります。この場合は、理由の中身が問題になる場面があります。
有期雇用には、労働基準法137条という例外もあります。契約期間が1年を超える契約では、働き始めて1年を過ぎた日以後は申し出て退職できます。ただし高度な専門知識を持つ人などは対象外です。自分の契約期間と勤続月数を、業者へ相談する前に書き出しておきます。
ステップ2 業者へは事情をそのまま伝える
業者へは、会社に伝えるかどうかとは別に、退職を決めた事情を正直に伝えます。会社から理由を聞かれたときの返答方針を、業者と事前に決めておけるからです。
次のような事情は、相談の段階で伝えておくと話がずれません。
- パワハラ・セクハラなど、会社の対応に原因がある
- 未払いの残業代や有給の残りがある
- 体調を崩していて、会社と話すのがつらい
- 会社に理由を知られたくない
未払金や有給の話し合いまで望むなら、運営主体の確認が欠かせません。民間の業者ができるのは、退職の意思の伝達までです。労働組合は団体交渉権にもとづいて交渉ができます。弁護士は交渉に加えて、訴訟などの法的手続きまで対応できます。運営主体ごとの対応範囲は条件別の比較一覧で確認できます。
ステップ3 会社へ伝える範囲を決める
会社へ伝える退職理由は、「一身上の都合」だけでも手続きは進みます。自己都合で辞めるときの退職届も、この書き方が一般的です。
一方で、理由を伝えたほうが本人に有利になる場合もあります。たとえばパワハラや長時間労働が原因の退職です。ハローワークで「会社都合」に近い扱いになるかどうかに、事情の記録が関わるためです。
失業保険では、会社側の事情で辞めた人は「特定受給資格者」などにあたる場合があります。該当すると、給付が始まる時期や日数が自己都合の場合と変わります。該当するかどうかを判断するのはハローワークで、会社や業者ではありません。
| 伝え方 | 向いている状況 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 「一身上の都合」のみ | 理由を知られたくない。会社側に原因がない | 失業保険では自己都合として扱われるのが基本 |
| 事実だけを短く伝える | パワハラ・長時間労働など会社側に原因がある | 日時や内容のメモ・メールなど記録を残しておく |
| 理由とあわせて交渉する | 未払金や有給の消化を求めたい | 交渉できるのは労働組合と弁護士の運営に限られる |
退職届の書き方は退職代行を使うとき退職届は必要?にQ&A形式でまとめています。
ステップ4 書類の理由欄を確認
退職後に届く書類では、退職理由の欄を必ず確認します。会社が書いた理由が、そのまま手続きに使われるからです。
離職票は、失業保険の手続きでハローワークに出す書類です。離職票の理由欄は会社が記入します。本人が内容に納得できない場合は、異議の有無を示す欄があります。受給の流れは退職代行で辞めたら失業保険はどうなる?で整理しています。
退職証明書は、労働基準法22条にもとづき本人が請求すると会社が交付する書類です。退職の事由も記載項目に含まれます。同じ条文の3項は、本人が請求していない事項を書くことを禁じています。転職先へ出すときに理由を載せたくないなら、理由を除いた内容で請求できます。
会社から理由を聞かれた場合
退職代行が連絡したあと、会社が本人に直接理由を聞いてくることがあります。本人に答える義務はなく、業者を通じて伝えた内容以上を話す必要もありません。
転職先の面接で前職の退職理由を聞かれる場面もあります。退職代行を使ったことを話す義務はありません。聞かれているのは辞めた理由なので、事実の範囲で短く答えます。
返答に迷ったときは、業者と決めた返答方針に沿って短く答えます。直接の連絡が続く場合は、その事実を業者に伝えて対応を相談します。