退職代行の費用が払えないときの進め方——後払い・分割・無料相談の順で確認する
2026-09-01 執筆 / 料金は2026-08-06時点の各社公式サイト確認値
「もう限界だから退職代行に頼みたい。でも今月、2万円を出す余裕がない」——給料日前だったり、体調を崩して働けていなかったりすると、こうした状況は珍しくありません。
結論から言うと、費用が用意できないからといって、そこで止まる必要はありません。確認する順番さえ決めておけば、選べる道は残っています。この記事では、その順番を4つのステップに分けて説明します。
ステップ1:自分の「払えない」がどちらかを分ける
最初にやることは、お金の調査でも業者探しでもなく、自分の状況を2つに切り分けることです。
| 状況 | 次に見るところ |
|---|---|
| 今は手元にないが、退職後の給料日や失業給付で払えそう | ステップ3の後払い・分割 |
| 当面まったく見通しが立たない | ステップ2の無料相談とステップ4 |
この切り分けが先に必要なのは、後払いに対応するサービスの多くが「支払いを免除する制度」ではなく「支払時期を後ろにずらす制度」だからです。いずれ払う前提が立つかどうかで、進む道が変わります。
ステップ2:相談だけなら無料のところで、まず状況を話す
依頼を決める前に、相談だけを受け付けているサービスがあります。たとえば円満退職ユニオン(労働組合運営)は相談無料をサービス内容として掲げており、退職代行ガーディアン(東京労働経済組合)は組合員期間中の相談が無料と公式サイトに記載しています(いずれも2026-09-18時点の公式サイト確認値。ガーディアンの相談無料は組合員期間中の3か月が対象です)。
相談の段階で確認しておきたいのは、次の3点です。
- 自分のケースで、支払いをいつまで待ってもらえるのか
- 後払いにした場合、手数料が上乗せされるのか
- 有給消化や未払い賃金の交渉が必要な状況かどうか
3つ目が重要です。未払いの給与や残っている有給がある場合、それを受け取れるかどうかで手元のお金の状況そのものが変わります。ここは次のステップの判断にも関わります。
ステップ3:後払い・分割に対応するサービスを料金順に見る
後払いや分割払いに対応していると公式サイトで確認できたサービスを、正社員料金の安い順に並べました。順位付けではなく、金額順の一覧です。
| サービス | 運営主体 | 正社員料金 | 支払いに関する記載 |
|---|---|---|---|
| 退職代行ローキ | 労働組合(労働基準調査組合) | 19,800円 | 後払い可(手数料4,000円・審査あり) |
| 退職代行やめたらええねん | 民間 | 19,800円 | 分割払い対応あり |
| 退職代行OITOMA | 労働組合(日本通信ユニオン) | 20,000円 | 後払い可(手数料9,000円・最長1か月) |
| 退職代行モームリ | 民間 | 22,000円 | 後払い可(手数料+3,000円) |
| 退職代行ヤメドキ | 民間 | 24,000円 | 後払いOK(退職日決定後7日以内払い) |
| 退職代行Jobs | 民間 | 27,000円 | 後払い可 |
料金は2026-08-06〜2026-09-18に各社公式サイトで確認した内容です。この表から読み取っておきたい点が3つあります。
1つ目は、後払いには手数料が上乗せされる場合があることです。OITOMAは9,000円、ローキは4,000円、モームリは3,000円が加算されると公式サイトに記載があります。手数料を含めると、OITOMAの総額は29,000円となり、表示料金の順番とは入れ替わります。
2つ目は、審査がある場合があることです。ローキは後払いに審査ありと記載されています。後払いを前提に1社だけに絞り込むより、通らなかった場合の代わりも考えておくほうが安全です。
3つ目は、支払期限の設定です。ヤメドキは「退職日決定後7日以内」と期限が明示されています。給料日との前後関係を先に確認しておきたいところです。
条件をそろえた一覧は後払い対応の退職代行を料金順で見るのページにまとめてあります。
ステップ4:安さだけで決める前に、交渉が必要かを確認する
費用が厳しいときほど、金額の安い順に飛びつきたくなります。ただ、その前に1つだけ確認しておいてほしいことがあります。運営主体によって、できることの範囲が違うという点です。
| 運営主体 | 対応できる範囲 |
|---|---|
| 民間企業 | 退職意思の伝達のみ。会社との交渉はできない |
| 労働組合 | 伝達に加え、団体交渉権にもとづき有給消化や未払金などの交渉が可能 |
| 弁護士 | 伝達・交渉に加え、訴訟などの法的手続きも可能 |
弁護士でない者が報酬を得て法律に関わる交渉を行うことは、弁護士法72条が禁じる非弁行為にあたるおそれがあります。そのため民間企業が運営するサービスは、退職の意思を伝えることはできても、有給や未払金についての会社との話し合いはできません。
ここがお金の話と直結します。未払いの残業代や消化していない有給が残っている場合、交渉ができる労働組合運営や弁護士運営を選んだほうが、結果として手元に戻る金額が変わる可能性があります。上の表で19,800円のローキと20,000円のOITOMAが労働組合運営である点は、費用を抑えたい人にとって見ておく価値のある情報です。ただし、交渉すれば必ず支払われるというものではありません。
ステップ5:それでも難しければ、自分で伝える方法も残っている
後払いも分割も難しい場合、費用ゼロで進める方法として、自分で退職の意思を伝えるという選択肢があります。
民法627条は、期間の定めのない雇用について、当事者はいつでも解約の申入れができ、申入れの日から2週間の経過によって雇用が終了すると定めています。つまり退職の意思を会社に伝えれば、会社の承諾がなくても2週間で雇用は終了します。内容証明郵便で退職届を送るなど、直接顔を合わせずに伝える手段もあります。
手順は自分で退職を伝える方法で整理しています。相場そのものを知りたい場合は退職代行の料金相場もあわせて確認してください。
確認する順番のまとめ
- いずれ払えるのか、当面難しいのかを切り分ける
- 相談無料のところで、支払時期と手数料、交渉の要否を聞く
- 後払い・分割対応を料金順に見て、手数料込みの総額と期限を比べる
- 有給や未払金があるなら、交渉できる運営主体かどうかを確認する
- いずれも難しければ、自分で伝える方法を検討する