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内定辞退に退職代行は使える?入社前に断るときの考え方を整理

2026-10-01 執筆

入社前に内定を断りたいのに、電話をかける勇気が出ない。そんなときでも、内定辞退を受け付ける退職代行に頼むことはできます。ただし内定辞退は、メール1通で自分で伝えられる場面がほとんどです。

先に結論をまとめます。入社日の2週間以上前に伝えれば、入社前に契約を終えられるというのが一般的な整理です。会社の承諾は要りません。業者に頼むのは、強い引き止めや支度金の返還など、話がこじれそうなときに絞るのが費用の面でも合理的です。

結論 内定辞退は本人の意思で可能

内定辞退は、会社の許可がなくても本人の意思表示で成立します。内定を取り消せないのは会社の側で、内定者の側には辞退の自由があるという整理です。

根拠になるのは次の2つの考え方です。

  • 内定で労働契約が成立する——最高裁の判例(1979年の大日本印刷事件)は、内定によって「入社日から働く」という条件つきの労働契約が成立すると判断しました
  • 契約が成立していれば辞める自由もある——期間の定めのない雇用は、民法627条により申し入れから2週間で終了します

入社日まで2週間以上あれば、入社前に契約は終わる計算です。入社日まで2週間を切っている場合も辞退の意思は伝えられます。その場合、残りの期間の扱いは会社との話し合いになります。

入社承諾書や違約金の扱い

入社承諾書や誓約書にサインしていても、辞退そのものを禁じる力は一般に弱いと整理されています。承諾書は「入社する意思がある」ことの確認書類で、辞める自由を奪う契約ではないためです。

「辞退したら違約金◯万円」という取り決めは、労働基準法16条が禁じる「賠償額の予定」にあたるおそれがあります。労基法16条は、働く人が契約を守らなかった場合の違約金や賠償額を、あらかじめ決めておく契約を禁じています。

損害賠償を口にされる場面もあります。辞退だけを理由に賠償が認められる例は限られる、というのが一般的な整理です。条文ごとの詳しい考え方は退職代行を使うと損害賠償を請求される?にまとめました。

入社前に支度金や引っ越し費用を受け取っている場合は、話が別です。受け取ったお金は返還を求められることがあり、返す範囲は契約書や支給時の取り決めの文言で変わります。金額が大きいときや条件に納得できないときは、交渉ができる労働組合か弁護士の窓口が相談先です。

自分で伝える場合の手順

内定辞退は、メールで伝えて記録を残す方法が手軽です。電話がつらい人でも、文面なら落ち着いて送れます。

順番やることポイント
1宛先を確認する採用担当者の名前とメールアドレスを内定通知で確かめる
2辞退のメールを送る辞退する意思と日付を書く。理由は「一身上の都合」で足りる
3返信を待つ電話がかかってきても、メールで返す選択肢はある
4受け取った書類を返す入社書類や貸与物があれば郵送で返す

メールの本文は、次のような短い文面で足ります。

「◯◯株式会社 人事部 ◯◯様 このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。検討の結果、誠に勝手ながら内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。ご迷惑をおかけし申し訳ございません。(氏名・連絡先)」

送ったメールは送信済みフォルダに残しておきます。辞退を伝えた日付の記録になり、あとで「聞いていない」と言われたときの証拠に使えます。

学校の推薦で決まった内定は、会社より先に学校のキャリアセンターへ相談しておくと話がこじれにくくなります。推薦枠は学校と会社の関係にも関わるためです。

退職代行に頼むなら確認する3点

業者に頼むと決めたら、申し込む前に次の3点を確かめます。

  • 内定辞退を受け付けているか——退職代行は「在職中の退職」を前提にした料金表が中心です。内定辞退を扱うか、料金がどうなるかは業者ごとに問い合わせが必要です
  • 運営主体はどれか——辞退の意思を伝えるだけなら民間でも対応範囲内です。支度金の返還や賠償の話が出たら「交渉」になり、労働組合か弁護士の範囲です。訴訟まで見込むなら弁護士に限られます
  • 今の職場の退職と同時か——転職先の内定を断り、今の会社に残る人は、依頼は内定先への連絡だけです。逆に今の職場を辞めて別の内定先に移る人は転職先が決まってから退職代行を使うには?の逆算が役立ちます

運営主体ごとの料金は料金の安い順 退職代行一覧で、調査時点の公式サイト確認値を並べています。

頼む前に考えたい費用との釣り合い

内定辞退で業者に頼む価値があるのは、自分で連絡すると強く引き止められる見込みがある場面です。採用担当者から何度も電話が来ている場合や、支度金・研修費の返還を求められている場合がこれにあたります。

反対に、まだ入社書類を出していない段階なら、メール1通で終わる可能性が高い状況です。どちらか迷う場合は、無料相談で「内定辞退を扱うか」「料金はいくらか」だけを聞いてから決める方法があります。

本記事は内定辞退と退職代行についての一般的な情報の整理です。内定の状況、契約書の内容、入社日までの日数によって扱いは変わります。賠償や返還を求められている場合は、労働組合運営や弁護士運営のサービス、または総合労働相談コーナーなどの公的な窓口に相談してください。