外国人でも退職代行は使える?在留資格の手続きを4ステップで整理
2026-10-30 執筆
「日本語で上司に辞めると言い出せない」「ビザがあるから辞めたら困るのでは」。日本で働く外国人の方から、こうした不安を聞くことがあります。
結論として、外国人でも退職代行は使えます。辞めるときの法律のルールは、日本人と同じだからです。ただし辞めたあとに、在留資格(ビザ)の手続きが本人に残ります。退職代行の業者は、在留資格の手続きを代わりにしてくれません。依頼の前に確かめることを4つのステップで整理します。
退職のルールは国籍で変わらない
退職の決まりは、外国人にも日本人と同じように使われます。労働基準法3条は、国籍を理由に労働条件で差をつけることを禁じています。
期間を決めていない雇用なら、民法627条により、辞める意思を伝えてから2週間で雇用が終わるのが原則です。「1年契約」のように期間を決めた雇用では、途中で辞めるのに民法628条の「やむを得ない事由」が原則として必要になります。雇用の形ごとの退職日の決まり方は退職日の決まり方を表で整理した記事にまとめています。
ステップ1 在留資格の種類を確かめる
最初に、在留カードに書かれた「在留資格」の欄を見ます。在留資格の種類によって、辞めたあとに必要な手続きが変わるためです。
| 在留資格の例 | 辞めたあとに必要になること(一般論) |
|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務、技能など | 契約が終わってから14日以内に出入国在留管理庁へ届け出る |
| 特定技能 | 14日以内の届出に加え、次の会社で働く前に在留資格の変更許可を受ける |
| 技能実習 | 実習先を自由に変える仕組みではないため、辞める前に監理団体や外国人技能実習機構へ相談する |
| 永住者、日本人の配偶者等、定住者 | 仕事の内容に制限がなく、勤務先についての届出もない |
14日以内の届出は、出入国管理及び難民認定法(入管法)19条の16で決まっています。届け出る方法は、出入国在留管理庁の案内で確かめてください。
働くための在留資格では、正当な理由なく3か月以上その仕事をしていないと、在留資格の取消しの対象になりえます(入管法22条の4)。次の勤務先を探していることは、正当な理由にあたる例として扱われます。ただし実際にどう判断されるかは個別の事情によります。
ステップ2 会社に預けた書類を確かめる
パスポートや在留カードを会社に預けたままなら、退職の連絡と一緒に返してもらうよう伝えます。在留カードは、常に持ち歩く義務があるカードです(入管法23条)。
厚生労働省の外国人雇用の指針は、本人の意思に反して会社がパスポートなどを預かることを認めていません。返却を求めることは、退職の意思と同じく会社へ伝える内容に入ります。
会社の寮に住んでいる人は、退去の日も決める必要があります。寮・社宅に住んだまま退職代行を使う記事で、退去と家賃の考え方を整理しています。
ステップ3 言葉と運営主体で依頼先を選ぶ
依頼先を選ぶときは、相談に使える言葉と運営主体の2点を見ます。日本語以外で相談できるかどうかは、当サイトのデータでは確認していません。無料相談の最初に、使いたい言葉で対応できるかを聞いてください。
運営主体によって、会社に頼めることの範囲が変わります。
- 民間企業: 退職の意思を伝えるところまで。条件の話し合いはできない
- 労働組合: 団体交渉権にもとづき、有給の消化や未払いの給料について交渉できる
- 弁護士: 交渉に加え、訴訟などの法的手続きまで対応できる
民間企業が会社と条件を話し合うと、弁護士法72条が禁じる非弁行為にあたるおそれがあります。有給休暇は労働基準法39条にもとづき、国籍に関係なく付与されます。有給を使い切りたい人や、給料の未払いがある人は、最初から労働組合か弁護士の運営先を選びます。運営主体ごとの料金と対応範囲は退職代行の業者を条件で比較するページに、各社公式サイトの確認値として並べています。
ステップ4 辞めたあとの期限を書き出す
退職の連絡が済んだら、本人がする手続きの期限を書き出します。退職代行の業者の役目は、会社への連絡までです。
- 退職から14日以内: 出入国在留管理庁への届出(届出が必要な在留資格の場合)
- 次の会社が決まったら: 新しい勤務先についての届出、特定技能なら変更許可の申請
- 最後の給料と書類: 給与明細・源泉徴収票・離職票が届くかを確かめる
最後の給料がいつ払われるかは最後の給料の支払日を整理した記事にまとめています。日本を離れる予定の人は、年金の脱退一時金を請求できる場合があります。条件と請求の方法は日本年金機構の案内で確認してください。
在留資格の相談は、出入国在留管理庁や外国人在留支援センター(FRESC)が窓口です。働き方の相談は、厚生労働省の外国人労働者向けの相談窓口でも受け付けています。