退職代行で辞めると退職日はいつ?2週間・有給・月末の関係を表で整理
2026-09-11 執筆/条文は2026-09-11にe-Gov法令検索、保険料の扱いは同日に日本年金機構のFAQで確認
退職代行に依頼すると、会社へ連絡した日に雇用が終わると考える人がいます。実際の退職日は、雇用契約の種類と有給の残り日数で決まります。連絡した日と退職日は別の日になるのが通常です。この記事でわかることは次の3点です。
- 正社員と契約社員で異なる退職日の決まり方
- 有給を使って出社せずに退職日を迎える考え方
- 月末退職と月の途中の退職で変わる厚生年金の保険料
退職日に関わる5つの要素
退職日は、次の5つの要素の組み合わせで決まります。条文や公的な案内の根拠とあわせて表にしました。
| 要素 | 退職日への影響 | 根拠 |
|---|---|---|
| 期間の定めのない雇用(正社員など) | 退職の申し入れから2週間で雇用が終わる | 民法627条1項 |
| 期間の定めのある雇用(契約社員など) | 原則は契約期間の満了まで。やむを得ない事由があれば直ちに解除できる | 民法628条 |
| 有給の残り日数 | 退職日までの出勤日に充てれば、出社せずに退職日を迎えられる | 労働基準法39条 |
| 会社との合意 | 会社が合意すれば、2週間より早い日付で辞めることもできる | 当事者の合意(一般論) |
| 月末か月の途中か | 退職日は同じでも、厚生年金の保険料を納める月数が変わる | 日本年金機構のFAQ |
5つのうち、契約の種類は本人の都合では変えられません。有給の使い方と会社との合意は、依頼先を通じて会社とやり取りする部分です。
正社員は申し出から2週間が原則
期間の定めのない雇用では、退職の申し入れから2週間で雇用が終わります。民法627条1項は、雇用は申し入れの日から「二週間を経過することによって終了する」と定めています。会社の承諾は条件に入っていません。
起点になるのは、依頼先から会社へ退職の意思が伝わった日です。2週間より後の日付を、希望の退職日として伝えることもできます。カレンダー上の日付は、依頼先を通じて会社と確認して確定させます。
月給制の人は「1か月前に言わないと辞められない」と聞くことがあります。民法627条2項は、期間で報酬を決めた場合の定めです。条文の対象は「使用者からの解約の申入れ」と書かれています。労働者から辞める場合は、1項の2週間で考えるのが一般的な読み方です。就業規則に「1か月前まで」とある会社もあり、規則との関係が気になる場合は専門窓口で確認してください。
有給が残っていれば出社せず退職日へ
有給休暇が退職日までの出勤日数分あれば、依頼した日から出社しないまま退職日を迎えられます。年次有給休暇は労働基準法39条にもとづく権利です。退職日を過ぎると使えなくなるため、残りの日数は依頼前に確認します。
会社には、休暇の時期を変えるよう求める時季変更権があります。退職前の有給消化では振り替える先の日がないため、行使は難しいとされるのが一般的な解釈です。
有給が足りない日は欠勤扱いとなり、その日の給与は支払われないのが原則です。有給を使いたいという希望を伝えるだけなら、民間の業者でも対応できます。会社が拒んだあとに話し合う段階は交渉にあたり、民間の業者は対応できません。有給の扱いは退職代行で有給は取れる?消化交渉できる業者とできない業者の違いで詳しく整理しています。
契約社員は期間満了が基本
期間の定めのある雇用では、2週間ルールはそのまま当てはまりません。原則として、契約期間の満了日が退職日になります。
期間の途中で辞める場合について、民法628条は「やむを得ない事由があるときは」直ちに解除できると定めています。何がやむを得ない事由にあたるかは、個別の事情で判断されます。同条には、事由が本人の過失で生じた場合は損害賠償の責任を負うとも書かれています。
1年を超える契約で働き始めてから1年を過ぎた人には、労働基準法137条の例外があります。申し出ればいつでも退職できるという定めで、一部の専門職などは対象外です。契約書の期間と勤続月数を先に確認してください。
月末退職と月の途中の違い
退職日を月末にするか月の途中にするかで、厚生年金の保険料を納める月数が変わります。日本年金機構のFAQでは、資格を失う日は退職日の翌日とされています。保険料は、資格を失う日が属する月の前月分までです。
| 退職日の例 | 資格を失う日 | 厚生年金の保険料 |
|---|---|---|
| 9月30日(月末) | 10月1日 | 9月分まで納める |
| 9月29日(月の途中) | 9月30日 | 8月分まで納める |
月の途中で辞めると、勤め先を通じて納める保険料は1か月分少なくなります。次の勤め先に入るまでの期間は、国民年金への切り替え手続きを自分で進めます。月末退職では、給与の締め日によって前月分と当月分がまとめて控除される場合があると同FAQに書かれています。健康保険の扱いは、加入している健康保険の窓口で確認してください。
退職後に自分で進める手続きは、退職代行のその後|届く書類・返すもの・自分でやる手続きを表で整理にまとめています。
退職日の相談は運営主体で差
退職日を会社へ伝える役割と、会社と日付を話し合う役割は別のものです。運営主体ごとの対応範囲は次のとおりです。
| 運営主体 | 退職日について対応できる範囲 |
|---|---|
| 民間企業 | 本人が希望する退職日を会社へ伝える。日付や有給消化について会社と交渉することはできない |
| 労働組合 | 希望の伝達に加え、団体交渉権にもとづき退職日や有給消化について会社と交渉できる |
| 弁護士 | 伝達と交渉に加え、争いになったときの訴訟などの法的手続きまで対応できる |
会社が「退職日を1か月後にしてほしい」と求めてきた場合、日付の調整は交渉になります。有給の残りが多い人や会社が話し合いに応じない見込みの人は、交渉できる運営主体かを依頼前に確かめます。労働組合が運営する業者は労働組合運営の退職代行の一覧にまとめています。
依頼前に決めておく3点
- 希望する退職日の日付(月末にするかどうかを含む)
- 有給休暇の残り日数(給与明細や勤怠システムに表示されている場合があります)
- 雇用契約書に書かれた契約期間の有無
相談の最初に3点を伝えておくと、退職日の見通しを依頼先と共有できます。