退職代行のデメリットは?使う前に知りたい6つの点と向かない人
2026-11-02 執筆
退職代行のデメリットは、大きく分けて6つです。費用がかかること、民間の業者は会社と交渉できないこと、会社からの連絡を完全には止められないことが中心になります。
反対に、上司と話すのが怖い人や、引き止めで何度も話が流れた人にとっては、費用を払う意味があります。会社と普通に話せて、有給や未払いの給料の問題もない人なら、自分で退職届を出すほうが安く済みます。
結論は6つのデメリットを表で確認
先に全体を表にまとめます。どのデメリットも、依頼先の選び方と事前の準備で小さくできます。
| デメリット | 起きやすい場面 | 小さくする方法 |
|---|---|---|
| 費用がかかる | 自分で辞めれば0円で済む場合 | 料金と追加費用を事前に確認する |
| 民間は交渉できない | 有給消化や未払いの給料がある場合 | 労働組合か弁護士の運営を選ぶ |
| 会社から連絡が来ることがある | 引き継ぎや返却物の確認が必要な場合 | 連絡の窓口を業者に伝えてもらう |
| 引き継ぎが手薄になる | 担当業務を1人で抱えている場合 | 引き継ぎメモを作って郵送する |
| 書類や私物の受け渡しが遅れる | 会社が郵送に慣れていない場合 | 必要な書類の名前を業者に伝える |
| 業者選びで失敗する | 運営主体が確認できない業者の場合 | 運営会社名や組合名を確かめる |
費用は自分で辞めるより高い
退職代行のいちばん分かりやすいデメリットは費用です。自分で退職届を出せば、かかるのは郵送代くらいです。
当サイトは2026年9月18日〜26日に各社の公式サイトで料金を確認しました。正社員向けの基本料金は15,000円から55,000円まで幅があります。15,000円は退職代行EXIT(初回)と退職代行ネルサポです。55,000円は弁護士運営で公務員に特化したサービスの料金です。後払いを選ぶと手数料が上乗せされる業者もあります。
民間の業者は交渉ができない
民間企業が運営する退職代行は、退職の意思を伝えることしかできません。有給を消化したい、未払いの残業代を払ってほしいといった会社との話し合いは「交渉」にあたります。
弁護士でない者が報酬を得て交渉すると、弁護士法72条の非弁行為にあたるおそれがあります。非弁行為とは、弁護士資格のない人が報酬目的で法律事務を扱うことです。交渉が必要なら、団体交渉権を持つ労働組合か、訴訟まで扱える弁護士が依頼先になります。3類型の違いは労働組合・弁護士・民間を表で比較した記事にまとめています。
会社からの連絡はゼロにならない
退職代行が「本人に連絡しないでください」と伝えても、会社がそれに従う法的な義務はありません。返却物の確認や書類の送り先などで、本人の電話や自宅に連絡が来ることはあります。
連絡が来たときに出るかどうかを先に決めておくと、慌てずに済みます。出る場合は「退職の件は代行業者を通してください」と伝えて、話を業者に戻す方法があります。
引き継ぎと人間関係は手薄になる
退職代行を使うと、上司や同僚と直接話さないまま職場を離れることになります。担当していた仕事の引き継ぎも、口頭ではできません。
民法627条では、期間の定めのない雇用は申し入れから2週間で終わります。引き継ぎをしなかっただけで損害賠償が認められる場面は限られる、というのが一般論です。ただし、ゼロとは言い切れません。業務の進み具合や取引先の連絡先をメモにして郵送すると、会社とのもめごとの種を減らせます。
お世話になった人にお礼を伝えたい場合は、退職日が過ぎてから個人的に連絡する方法もあります。
書類と私物の受け渡しに時間がかかる
退職代行を使うと、離職票や源泉徴収票の受け取りと、貸与品や私物の返却は郵送が中心になります。会社によっては発送が遅れ、失業保険の手続きを始めるのが後ろにずれることがあります。
依頼するときに、受け取りたい書類の名前と送り先をはっきり業者に伝えておくと、受け取り漏れを減らせます。
業者選びを誤ると対応が止まる
運営会社や組合名が公式サイトで確認できない業者に頼むと、トラブルのときに誰が責任を持つのか分かりません。民間の業者が交渉に踏み込んだ場合、途中で対応が止まることもありえます。
依頼前に確認したいのは次の3点です。
- 運営主体が民間・労働組合・弁護士のどれか
- 基本料金のほかに組合費や後払い手数料がかかるか
- 返金保証がある場合、自己都合のキャンセルが対象外かどうか
自分で辞めるほうが合う人
次のような人は、退職代行を使わずに自分で辞めても困る場面が少ない人です。
- 上司と普通に話せて、引き止められても断れる
- 有給の残りや未払いの給料について、会社ともめていない
- 費用をかけずに辞めたい
一方で、退職を言い出せずに体調を崩している場合や、強い引き止めで何度も話が流れた場合は、費用を払って代わりに伝えてもらう意味があります。自分で辞める手順は退職届と2週間ルールの記事にまとめています。
使うと決めたら、運営主体・料金・交渉の可否を退職代行の業者を条件で比較するページで並べて確認できます。料金はいずれも各社公式サイトの確認値(2026年9月18日〜26日時点)です。