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営業職の退職代行|顧客の引き継ぎ・社用品の返却・歩合給の締め方

2026-09-18 執筆

営業職の退職には、他の職種にはない引っかかりがあります。担当している取引先、会社から借りている社用車や携帯、そして締め日で変わる歩合給です。この記事では、営業職が退職代行を使うときの進め方を、依頼前から退職日までの順で整理します。わかることは3点です。

  • 担当顧客の引き継ぎを、会社と直接やり取りせずに済ませる手順
  • 社用車・社用携帯・顧客リストの返し方と、持ち出してはいけないもの
  • 歩合給やインセンティブが未精算のとき、どの運営主体なら交渉できるか

営業職の退職で詰まる3つの場面

営業職から寄せられる不安は、次の3つに集まります。

  • 担当顧客——契約の途中や提案中の案件を抱えたまま辞めてよいのか
  • 貸与品——社用車や社用携帯を、会社に行かずにどう返すのか
  • 歩合給——成約済みの案件のインセンティブが、退職後に払われるのか

いずれも、退職できるかどうかの問題ではありません。期間の定めのない雇用であれば、民法627条により、退職の意思を伝えた日から2週間で雇用は終了します。会社の承諾は不要です。営業職で問題になるのは、退職そのものではなく、辞めるまでに片づける事務の進め方です。

依頼前にそろえておく情報

退職代行に依頼する前に、手元の資料を確認しておくと手続きが早く進みます。確認しておきたいのは次の4点です。

  • 雇用契約書・就業規則——退職の申し出時期、貸与品の扱い、歩合給の支給条件
  • 直近の給与明細——基本給と歩合の内訳、締め日と支払日
  • 貸与品の一覧——社用車・社用携帯・ノートPC・制服・名刺・社章・鍵・ETCカード
  • 有給の残日数——給与明細か勤怠システムで確認

特に歩合給は、就業規則で「支給日に在籍していること」を条件にしている会社があります。条件の有無で、退職日をいつにするかの判断が変わります。

担当顧客の引き継ぎの進め方

退職代行の業者は、担当顧客への連絡や引き継ぎの代行はしません。業者がするのは会社への連絡です。取引先への挨拶まわりは業務そのものにあたります。

現実的な進め方は、引き継ぎ資料を自分で作り、会社へ郵送やデータで渡す方法です。担当先の一覧・進行中の案件・次回アクションの予定をまとめておけば、会社側の実務は回ります。業者を通して「引き継ぎ資料は郵送で送ります」と伝えてもらえば、直接連絡を取らずに済みます。

引き継ぎは法律上の義務ではありませんが、資料を残すことで「業務を放り出した」と受け取られる余地を減らせます。引き継ぎの範囲や作り方は退職代行を使うとき引き継ぎはどうするで詳しく整理しています。

社用車・社用携帯・顧客リストの返却

会社の貸与品は返却が必要です。退職代行を使う場合、出社せずに宅配便で送るのが一般的な方法になります。業者から会社へ「貸与品は郵送で返却する」と伝えてもらい、送り先を確認してもらいます。

社用車は郵送できないため、扱いを個別に決める必要があります。自宅保管なら担当者に引き取ってもらう方法、駐車場に置いて鍵だけ送る方法があります。どちらになるかは会社の指示しだいです。依頼時に社用車があることを業者へ先に伝えておくと、初回の連絡でまとめて確認してもらえます。

顧客リストや提案資料は、会社の情報です。転職先で使う目的で持ち出すと、退職とは別のトラブルになります。手元のデータは返却または削除し、私物と会社の備品を分けておきます。社用携帯に入っている連絡先も、会社の管理下にある情報として扱うのが安全です。

歩合給とインセンティブの締め

成約済み案件の歩合給は、就業規則や賃金規程の定めによって支給の可否が決まります。「支給日に在籍している者に支払う」と書かれていれば、退職日を支給日の後にできるかが争点になります。規程に定めがなく、労働の対価として確定している分であれば、賃金として支払われるのが原則です。

歩合の精算を求めるかどうかで、選ぶ運営主体が変わります。民間企業が運営する退職代行は、退職の意思を伝えられますが、会社と歩合の話し合いはできません。弁護士でない者が報酬を得て会社と交渉することは、弁護士法72条が禁じる非弁行為にあたるおそれがあるためです。

未精算の歩合や残業代の未払いがあるなら、団体交渉権を持つ労働組合運営か弁護士運営が検討対象になります。退職後の給与や手当の受け取り方は退職代行を使ったあと最後の給料はどうなるもあわせてご覧ください。

運営主体で変わる対応範囲

運営主体できること営業職のケースでの目安
民間企業退職意思の伝達のみ辞める連絡と貸与品返却の取り次ぎだけなら選択肢になる
労働組合伝達+団体交渉権に基づく有給消化・未払金などの交渉歩合の精算や有給消化を求めたい場合に対応の幅がある
弁護士伝達・交渉+訴訟等の法的手続き賠償を請求された、金額の争いが大きい場合に対応できる

「取引先に迷惑がかかるから損害賠償だ」と言われるケースもあります。一般論として、退職したこと自体を理由に賠償を請求するのは簡単ではありません。労働者には退職の自由があるためです。ただし個別の契約内容や事情によって話は変わります。実際に請求された場合は、弁護士運営のサービスや公的な相談窓口を検討してください。

依頼から退職日までの流れ

  1. 雇用契約書・給与明細・貸与品リストを手元にそろえる
  2. 運営主体を選ぶ(歩合や有給の交渉が必要なら労働組合運営か弁護士運営)
  3. 業者へ相談し、社用車の有無・有給の希望・退職希望日を伝える
  4. 業者が会社へ連絡。以降、会社との直接のやり取りは発生しない
  5. 引き継ぎ資料と貸与品を郵送で送る
  6. 離職票・源泉徴収票など、退職後に届く書類を受け取る

料金は、当サイト掲載21社の正社員向け価格で15,000円から55,000円の幅があります(2026-09-18時点の公式サイト確認値。一部は料金非公表)。運営主体と対応範囲で価格帯が分かれるため、条件を指定した比較は業者を条件で比較するから確認できます。

本記事は一般的な情報の整理であり、就業規則や雇用契約の内容によって取り扱いは異なります。「必ず歩合が支払われる」「絶対に賠償されない」といったことを保証するものではありません。歩合や未払い賃金など交渉ごとが絡む場合、損害賠償を請求された場合は、労働組合運営・弁護士運営のサービス、または労働基準監督署などの公的な相談窓口の利用も検討してください。