在宅勤務中に退職代行を使うには?貸与PC・社内チャット・返却の進め方
2026-09-29 執筆
在宅勤務の人も、出社している人と同じように退職代行を使えます。退職の根拠は働く場所ではなく雇用契約にあるためです。在宅ならではの詰まりどころは、貸与PCの返却と社内チャットの扱いの2つに集まります。
この記事では、依頼の時間帯から返却の完了までを順番に整理します。
結論は依頼前の3つの準備
在宅勤務の退職代行は、依頼する前の準備で進みやすさが決まります。準備しておきたいのは次の3つです。
- 自宅にある会社の貸与品を一覧にして、写真を撮っておく
- 私物のデータが会社のPCにあれば、依頼前に整理する
- 返却先と連絡の希望(郵送・書面でのやり取り)を業者に伝える
出社がない働き方では、会社側が「貸与品を回収したい」「連絡がつかない」と感じやすくなります。先に一覧と希望を渡しておけば、会社が自宅へ来る理由を減らせます。
在宅でも退職できる法的な根拠
期間の定めのない雇用なら、民法627条が根拠になります。条文は、解約の申入れから「二週間を経過することによって終了する」と定めています。
民法627条には、働く場所についての条件がありません。テレワーク規程があっても、退職の申入れそのものを止める効力は持たないのが一般的な整理です。契約期間の定めがある場合は民法628条の考え方になるため、雇用契約書で期間の有無を確認してください。
依頼は始業前か前日の夜
在宅勤務の場合、業者への依頼は始業前か前日の夜がやりやすい時間帯です。業務時間の途中で依頼すると、チャットの返信やオンライン会議の最中に退職の連絡が入ることになります。
依頼した当日は、会社のシステムにログインしない前提で業者と段取りを決めておきます。退職日までの2週間の扱い(有給休暇を使うか欠勤か)も、依頼時に業者へ伝える項目です。
社内チャットとメールの扱い
退職の意思を業者から伝えたあとは、社内チャットやメールに本人が返信する必要はありません。連絡は業者を通して受けると、依頼の段階で決めておきます。
やってはいけないのは、会社のアカウントを自分で消すことです。チャットの履歴や共有フォルダのファイルは会社の管理物にあたるため、削除や設定の変更は控えます。アカウントの停止は会社側がする作業です。
退職後に会社のシステムへ入ることも避けてください。使う権限がなくなったあとにログインすると、不正アクセス禁止法が問題になる場合があります。
業務データは持ち出さない
在宅勤務では、業務のファイルが自宅のPCやUSBメモリに残っていることがあります。会社の情報を退職後も手元に置き続けると、就業規則や誓約書の秘密保持の定めに反するおそれがあります。
営業秘密にあたる情報を不正に持ち出した場合は、不正競争防止法の対象になることもあります。私物の端末に業務データが残っているなら、消すか返すかを業者経由で会社に確認してもらうのが安全です。自己判断で消す前に、指示を記録に残しておくと後で説明できます。
貸与品を郵送で返す手順
貸与品は郵送で返すのが基本です。在宅勤務で自宅に置きがちな品物と、返すときの要点を表にしました。
| よくある貸与品 | 返すときの要点 |
|---|---|
| ノートPC・充電器 | ログアウトした状態で梱包する。初期化は会社の指示がない限りしない |
| モニター・キーボード・ヘッドセット | 大きい品は送り方を会社に確認してもらう |
| 社用スマートフォン | ロック解除の方法を会社がどう求めるか確認してもらう |
| セキュリティキー・社員証 | 小さく紛れやすいので、一覧と照らして同封する |
送るときは、追跡番号が残る方法を使います。返却品の一覧を同封し、同じものを手元にも残してください。送った日と追跡番号は業者に伝え、会社へ共有してもらいます。退職後に届く書類と返すものの全体は、退職代行のその後に表でまとめています。
引き継ぎと経費精算の扱い
引き継ぎは、法律上の退職の条件ではありません。在宅勤務なら、業務の状況をまとめたメモを業者経由で渡す方法もとれます。詳しくは退職代行を使うと引き継ぎはどうなる?で整理しています。
在宅勤務手当や通信費の立て替えなど、未精算の経費がある場合は、依頼先の選び方が変わります。支払いを求める話し合いは「交渉」にあたり、運営主体によって対応できるかが分かれます。
運営主体で変わる対応範囲
返却方法の希望を伝えることは、どの運営主体でもできます。有給休暇の消化や未払いの経費を会社と話し合う場合は、次の違いがあります。
| 運営主体 | できること |
|---|---|
| 民間企業 | 退職の意思と本人の希望の伝達のみ。有給や金銭の交渉はできない |
| 労働組合 | 団体交渉権に基づき、有給消化や未払金の交渉ができる |
| 弁護士 | 交渉に加え、訴訟などの法的手続きまで対応できる |
弁護士でない者が報酬を得て法律に関わる交渉をすると、弁護士法72条の非弁行為にあたるおそれがあります。在宅勤務で電話を避けたい場合は、LINEで相談できる業者をLINE対応の退職代行一覧で確認できます。