退職代行のあと会社の人が家に来たら?自宅訪問への対応を表で整理
2026-09-28 執筆
退職代行を使ったあと、上司や人事が自宅まで来ることがあります。会社の人が来ても、ドアを開けて話す法律上の義務はありません。退職の意思は業者を通じて伝わっているので、会わなくても退職の手続きは進みます。
この記事では、訪問の理由ごとの対応を表で示し、帰ってもらわないときの相談先まで整理します。
訪問の理由と対応の早見表
会社が自宅に来る理由は、主に次の4つです。理由によって、取るべき対応が変わります。
| 会社側の理由 | よくある言い分 | 本人の対応 |
|---|---|---|
| 安否確認 | 「連絡がつかないので心配した」 | 業者から「本人は無事で意思確認も済んでいる」と伝えてもらう |
| 本人の意思確認 | 「本当に辞めるのか本人から聞きたい」 | 応対しない。意思は業者経由で伝達済みと業者から再度伝えてもらう |
| 貸与品の回収 | 「社員証やパソコンを返してほしい」 | 郵送で返す。追跡できる方法で送り、控えを残す |
| 引き止め・説得 | 「話せばわかる」「損害が出る」 | 応対しない。金銭や賠償の話が出たら運営主体を確認する |
早見表の4つのうち、安否確認と貸与品の回収は、先に手を打てば訪問そのものを減らせます。
ドアを開けなくてよい理由
退職は労働者の権利です。民法627条では、期間の定めのない雇用は「解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定められています。会社の承諾は要件になっていません。
退職の成立に、本人と会社が対面で話す手続きは含まれていません。インターホン越しに「業者に任せています」と一言伝えるか、応答しないかは本人が選べます。契約書に期間の定めがある有期雇用は前提が違うため、契約社員・派遣の退職代行で確認してください。
訪問を減らすために先にやること
訪問の多くは「本人と連絡がつかない」ことが引き金になります。依頼の段階で、次の3点を業者に伝えておくと、会社が家に来る理由を減らせます。
- 本人は無事であること(安否確認の理由をなくす)
- 本人への直接の連絡や訪問は控えてほしいという希望
- 貸与品は郵送で返し、書類は郵送で受け取りたいという希望
民間企業が運営する業者も、上の希望を会社へ伝えることはできます。ただし会社が応じない場合に、条件を話し合う「交渉」はできません。返却物と書類の流れは退職代行のその後に表でまとめています。
貸与品を郵送で返すときの3点
貸与品の回収を理由にした訪問は、返却を先に済ませればなくせます。郵送で返すときは、次の3点を押さえてください。
- 追跡番号が残る方法で送る(届いたかを後から確かめられる)
- 返す品物の一覧を紙に書いて同封し、同じ内容を手元にも残す
- 送った日と追跡番号を依頼した業者に伝え、会社へ共有してもらう
社員証・鍵・制服・パソコンなど、何を返すかは会社によって違います。返却物の一覧は、業者を通じて会社に確認してもらうと漏れを防げます。
来てしまったときの対応表
実際に訪問されたときは、次の順で動けば十分です。
| 場面 | 本人がすること |
|---|---|
| インターホンが鳴った | 出るかどうかは本人が選ぶ。出る場合は「業者に任せています」とだけ伝える |
| ドアの前で待っている | 依頼した業者に連絡し、会社へ訪問をやめるよう再度伝えてもらう |
| 帰ってほしいと伝えても帰らない | はっきり退去を求める。それでも居座るなら警察に相談する |
| 家族が応対してしまった | 家族には「本人は業者に任せている」とだけ伝えてもらう |
訪問があった日時・来た人・言われた内容はメモに残してください。あとで業者や相談窓口に説明するときの材料になります。
居座られたときの相談先
住人が退去を求めたのに居座る行為は、刑法130条の「不退去」にあたる可能性があります。あたるかどうかの判断は個別の事情によるため、ここでは一般論にとどめます。
身の危険を感じるときは110番に通報してください。緊急ではないが不安が続く場合は、警察の相談専用電話「#9110」に相談できます。
家族への連絡や実家への訪問が心配な場合は、退職代行は親にバレる?で連絡が行くケースを整理しています。寮や社宅に住んでいる場合は、住まいが会社の管理下にあるため事情が異なります。詳しくは寮・社宅に住んだまま退職代行は使える?を確認してください。
賠償や有給の話が出たら運営主体を確認
訪問の場で「損害賠償を請求する」「有給は認めない」と言われた場合、業者が会社とどこまで話せるかは運営主体で決まります。
| 運営主体 | できること |
|---|---|
| 民間企業 | 退職意思と本人の希望の伝達のみ。有給や金銭の交渉はできない |
| 労働組合 | 団体交渉権に基づき、有給消化や未払金の交渉ができる |
| 弁護士 | 交渉に加え、訴訟などの法的手続きまで対応できる |
弁護士でない者が報酬を得て法律に関わる交渉をすると、弁護士法72条の非弁行為にあたるおそれがあります。金銭の話が出そうな職場なら、依頼前に運営主体を確かめてください。労働組合運営の業者は労働組合運営の退職代行一覧、弁護士運営は弁護士運営の退職代行一覧で料金順に確認できます。