塾講師の退職代行|受験期の引き止め・コマ給・生徒情報の扱い
2026-10-23 執筆
受験前の時期に「今辞めたら生徒がかわいそう」と言われ、辞めると言い出せない塾講師の人へ。結論から書くと、塾講師でも退職代行は使えます。受験期であることや代わりの講師がいないことは、法律上の退職を止める理由になりません。
塾講師で先に確かめたいのは、自分の契約の形です。アルバイトや正社員として雇われているのか、業務委託の講師契約なのかで、辞め方の根拠が変わります。この記事では、結論を先に示したうえで、引き止め・お金・生徒情報の3つの場面を一般論として整理します。特定の業者をおすすめするものではありません。
結論は契約の形で決まる
辞め方の根拠は、雇用契約か業務委託かで分かれます。契約書や求人票、給与明細の名目を見ると、どちらにあたるかの手がかりになります。
| 契約の形 | 辞めるときの一般的な根拠 | 確かめる書類 |
|---|---|---|
| 期間の定めのない雇用(正社員・多くのアルバイト) | 民法627条により申し出から2週間で終了 | 雇用契約書・労働条件通知書 |
| 期間の定めのある雇用(学期ごと・年度ごとの契約) | 途中で辞めるには民法628条の「やむを得ない事由」が関わる | 契約期間の記載 |
| 業務委託の講師契約 | 雇用ではないため契約書の解除の定めに従う | 業務委託契約書 |
有期雇用の考え方は契約社員・派遣でも退職代行は使える?で詳しく扱っています。業務委託の場合は業務委託・フリーランスでも退職代行は使える?を先に読むと、依頼前に確認する点がわかります。
受験期の引き止めの位置づけ
期間の定めのない雇用なら、会社の承諾がなくても2週間で雇用は終わります。受験直前や講習の時期でも、民法627条の期間は延びません。代わりの講師を探すのは塾の側の仕事です。
塾講師に向けた引き止めには、次のような言い方がよく出てきます。
- 「後任が見つかるまで続けて」——後任探しは退職の効力と関係しない
- 「担当の生徒が受験を終えるまで」——生徒への責任感は法律上の義務とは別の話
- 「途中で辞めたら罰金」——労働基準法16条は違約金や賠償額をあらかじめ決める契約を禁じている
「生徒の成績が下がったら賠償」と言われても、退職したこと自体を理由にした賠償請求は、一般論として簡単には認められません。言い分ごとの整理は退職を強引に引き止められたら?にまとめています。
コマ給と授業準備の時間
塾講師の給料は、授業1コマごとの「コマ給」で払われることがあります。授業の前後の準備や報告書の作成、保護者との面談も、塾の指示でしているなら労働時間にあたる場合があります(一般論)。準備時間の分が払われていないなら、未払い賃金の論点になります。
有給休暇はアルバイトの講師にも付きます。労働基準法39条により、6か月続けて働き、所定の日の8割以上出勤していれば対象になります。週の勤務日数が少ない人は、日数に応じて少なめに付く仕組みです。
未払い分の支払いや有給消化を塾と話し合いたいときは、依頼先の運営主体が問題になります。次の表で違いを確認してください。
| 運営主体 | できること | 塾講師のケースでの目安 |
|---|---|---|
| 民間企業 | 退職意思の伝達のみ | 辞める連絡と返却方法の取り次ぎで足りる場合 |
| 労働組合 | 伝達+団体交渉権に基づく有給消化・未払金などの交渉 | 有給を使わせないと言われそうな場合 |
| 弁護士 | 伝達・交渉+訴訟等の法的手続き | 賠償を請求された・準備時間の未払いをまとめて請求したい場合 |
民間企業の業者は、有給や給料について塾と交渉できません。弁護士でない者が報酬を得て交渉すると、弁護士法72条が禁じる非弁行為にあたるおそれがあるためです。
生徒情報と教材の返し方
塾から預かっている生徒の資料は、退職時に返すか消す必要があります。成績表や面談記録は個人情報にあたるため、扱いを誤ると退職後のトラブルの火種になります。
- 紙の資料・教材・教室の鍵——追跡できる送り方で郵送し、品目の一覧を控える
- 私物のスマートフォンやパソコンの生徒データ——削除し、消したことを業者から塾へ伝えてもらう
- 生徒や保護者との私的な連絡先——退職後の個別のやり取りは控える
担当していた生徒へのあいさつは、塾を通して伝えてもらう形が無難です。引き継ぎ用に、生徒ごとの進み具合と使っている教材のメモを残しておくと、塾の側も授業を回せます。
料金の幅と比べ方
当サイト掲載21社の正社員向け料金は、15,000円から55,000円の幅です(2026-09-14〜09-26時点の公式サイト確認値。2社は料金を公式で確認できず)。アルバイト向けの料金は業者ごとに設定が異なるため、依頼前に公式サイトで確かめてください。運営主体ごとの一覧は業者を条件で比較するから確認できます。