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退職代行とは?違法性と3つの運営主体の違いを解説

2026-08-06 執筆 / 2026-10-13 更新

退職代行は、本人に代わって会社へ「退職したい」という意思を伝えるサービスです。意思を伝えること自体は違法ではありません。

ただし、運営しているのが民間企業・労働組合・弁護士のどれかで、頼めることが変わります。有給消化や未払いの給料について会社と話し合う「交渉」は、民間企業にはできません。交渉が必要なら労働組合か弁護士が依頼先になります。

退職代行とは——本人に代わって退職の意思を伝えるサービス

退職代行とは、退職したい本人に代わって、会社に退職の意思を伝えてくれるサービスです。依頼すると、業者が会社へ電話などで「◯◯さんは退職を希望しています」と連絡し、本人は上司と直接やり取りせずに退職手続きを進められます。

あくまで「伝える」ことが基本の役割で、退職そのものは本人の意思表示によって成立します。業者が勝手に退職を決めるわけではありません。

そもそも退職は労働者の権利

大前提として、退職は法律で認められた労働者の権利です。民法627条には、期間の定めのない雇用(いわゆる正社員など)について、次のように定められています。

「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」

つまり、退職の意思を会社に伝えれば、会社の承諾がなくても2週間の経過で雇用は終了します。「上司が認めてくれないから辞められない」ということは、法律上はありません。退職代行は、この「意思を伝える」部分を本人に代わって行うサービスです。

契約社員など期間の定めがある雇用は、民法628条の「やむを得ない事由」が原則として必要になるなど、ルールが変わります。雇用形態ごとの退職日の決まり方は退職日の決まり方を表で整理した記事にまとめています。

運営主体は3種類——できることが大きく違う

退職代行サービスの運営主体は、大きく分けて「民間企業」「労働組合」「弁護士」の3つです。どれを選ぶかで、対応できる範囲がまったく違います。

運営主体できることできないこと
民間企業退職意思の伝達のみ会社との「交渉」は不可(有給や未払金の話し合いなど)
労働組合伝達に加え、団体交渉権に基づき有給消化・未払金などの交渉が可能訴訟などの法的手続きは不可
弁護士伝達・交渉に加え、訴訟等の法的手続きも可能—

ポイントは「交渉」です。弁護士でない者が報酬を得て法律に関わる交渉を行うことは、弁護士法72条が禁じる「非弁行為(ひべんこうい)」にあたるおそれがあります。そのため民間企業の退職代行は、退職の意思を伝えることはできても、「有給を消化させてほしい」「未払いの残業代を払ってほしい」といった会社との話し合いはできません。

一方、労働組合は憲法・労働組合法で認められた団体交渉権を持つため、有給消化や未払金についての交渉が可能です。弁護士であれば、交渉に加えて、万一もめた場合の訴訟などの法的手続きまで対応できます。3類型の違いをさらに細かく比べたい場合は労働組合・弁護士・民間の違いを表で比較した記事を参照してください。

結局、退職代行は違法なの?

答えは「サービス自体は違法ではない」です。退職の意思を本人に代わって伝えること自体は、法律で禁止されていません。

問題になりうるのは、民間業者が「交渉」まで踏み込むケースです。前述のとおり、民間業者の交渉は非弁行為にあたるおそれがあります。万一トラブルになった場合、対応が途中で止まることもありえます。有給を消化したい、未払金があるといった事情があるなら、最初から労働組合か弁護士を選んでください。弁護士法72条をめぐる論点は退職代行の違法性を整理した記事で詳しく扱っています。

依頼から退職までの流れと費用の目安

依頼してから退職が完了するまでは、おおむね次の順で進みます。

  • LINEやメールで無料相談し、料金と対応範囲を確認する
  • 契約・支払いのあと、退職希望日や有給の希望を業者に伝える
  • 業者が会社へ連絡し、本人に代わって退職の意思を伝える
  • 貸与物を郵送で返し、離職票などの書類を郵送で受け取る

「即日対応」は、依頼したその日に会社へ連絡するという意味です。その日に退職が成立するわけではありません。各段階の詳細は退職代行の流れ(7ステップ)の解説にまとめています。

費用は、当サイトが2026年8月6日〜9月26日に各社公式サイトで確認した範囲では、正社員向けの基本料金がおおむね15,000〜27,500円です。弁護士運営はプランによってこれより高いものがあります。運営主体別の価格帯は退職代行の料金相場で表にしています。

運営主体がはっきりしない業者は避ける

公式サイトを見ても「運営会社がどこか分からない」「労働組合と書いてあるが組合名が確認できない」——そんな業者は避けるのが無難です。運営主体が確認できないと、どこまで対応してもらえるのか、トラブル時に誰が責任を持つのかが分かりません。依頼前に、運営会社名・労働組合名・弁護士名(所属)を必ず確認しましょう。業者ごとの運営主体・料金・交渉の可否は、公式サイトの確認値を退職代行の業者を条件で比較するページに並べています。

本記事は一般的な情報の整理であり、個別の状況への対応は業者・会社によって異なります。有給や未払金など交渉ごとが絡む場合や、状況が複雑な場合は、労働組合運営や弁護士運営のサービス、または公的な相談窓口の利用も検討してください。